今回は「臆病な人でもうまくいく投資法」という書籍を取り上げてみたいと思います。結論から言うと、いろいろなケースが紹介されており、とても良い内容でした。では少し内容を見ていきたいと思います。
目次
なぜこの本を手に取ったか
私自身、金融機関に勤めていますので、一定の金融の知識はあるかと思いますが、いわゆるデイトレーディングではなく、長期投資で運用していく方法、また具体的にどのように行っていくのが良いのかが分からず、この書籍を手に取りました。
また金融機関で働いていると、短期売買は制限がされているので、そういった意味でも投資信託での運用というものを行わないといけない状況にありました(金融機関で働いているとインサイダー取引といったことへのリスクがあるため、個別株での投資には難しい面があります)。
感想
タイトルに「臆病な人でもうまくいく投資法」とあるように、いかに元本を減らすリスクを低減して運用していく(お金を増やしていく)というところに重きを置かれています。
ベースになっている点は以下の点になります。
- 長期投資
- 分散投資(地域ならびに時間分散)
- 税金控除制度の活用
「長期投資」としては、投資したお金が企業に渡り、それが利益へとつながるためには一定の時間がかかるということ、短期的な値動きに一喜一憂しない。また資産分配(アセットアロケーション)の設定により、広く資産を分散投資する重要性への言及がされています。
その際には、時間分散の一環としてドルコスト平均法を活用し、値動きへのリスクを最小限にするメリットが説かれています。
また現時点ではNISAや確定拠出型年金といった税控除の制度も多くあり、それを活用する必要性が述べられています。例えば今ですと投資で得た利益には、20.315%の税金がかかります。
100万円の利益が出ても、実際に手元に来るときには、80万円を切る金額になってしまいます(20.315万円税金の支払いが生じます)。
本書では4つのタイプの例が紹介されています。
- インデックスファンドによる資産形成
- バランス型投信による資産形成
- 非課税制度を活かす
- 自分が応援したい会社や事業をサポート(アクティブファンドといった選択肢)
積立投資のセオリーとしては、やはりインデックスファンドでの積み立てがメジャーですので、アクティブファンドに対する言及がある点で、他の書籍とは少し違うなという印象を受けました。(ひふみ投信、鎌倉投信の結い2101、朝日Nvestグローバルバリュー株オープンなどの紹介がありました)。
またアクティブファンドを選ぶ上での注意点(チェックポイント)は自分自身納得のいくものでした。個人的にはドルコスト平均法を使用し値下がりリスクを低減しているのでアクティブファンドをポートフォリオにある程度入れようと思ったいいきっかけになりました。
まとめ
本書はいろいろな方のケースでのモデルポートフォリオも紹介されているので、これから積立投資を始めようと思っている方の助けになるかと思います。
最後のQ&Aでは実際にどのように積み立てを行っていくのか説明がされていますので、不安な方は一度見てみてもいいかと思います。投資信託の積み立てに関しては非常に良い書籍がたくさんあるので、今後も紹介はしていきたいと思うのですが、その中でもインデックスファンドだけに囚われていない点や、実際のアロケーションのアイデアが提示されている点で、非常に良い書籍だと感じました。