久しぶりにブログを書きます。今回は高配当の銘柄に関してです。
まず私のスタンスですが、私は配当というものをある程度重視しています。そして賢く利用しようと考えています。
もし私のブログを定期的に読んでくださっている読者の方であれば、私が「【誰も教えてくれない】日本と米国の高配当株投資で資産形成を加速させる投資法」という記事を書いていたこともご存じかと思います。
しかしツイッターやブログを見ていると高配当株を盲目的に信じている人があまりにも多いかと思います。そこで今回は、高配当銘柄の落とし穴について見ていきたいと思います。
目次
そもそもなぜ高配当銘柄に関する記事が多いか
ツイッターやブログを見ていると本当に多いです。なぜだかお分かりでしょうか?
理由は2つです。
1つはブログのネタになるからです。
これが本当に大きな理由です。
もう一つの理由はKPIとしやすいからです。
KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、いわゆる指標になりやすいと言うことです。
KPIとは、組織の目標を達成するための重要な業績評価の指標を意味し、達成状況を定点観測することで、目標達成に 向けた組織のパフォーマンスの動向を把握できるようになります。
引用:NRI
例えば、「年間配当額が○○万円になりました!!」というのって、ブログのネタにもなりやすいですし、「年間配当額を○○万円にすることを目指します!!」というのは、KPIになりやすいのです。
情報配信する側からすれば、これほど簡単にネタにことはありませんね。
でもこれは金融リテラシーの観点から考えると、あまり賢いことではありません。
高配当銘柄の落とし穴とは?
私が高配当銘柄を盲目的に信じている人がやりがちなミスは主に2つあります。
1つは再投資を前提としていること、もう1つは配当利回りを投資判断の基準としていることです。
再投資推しの何が悪い?
まず再投資とは、「配当をもらってそれを再度投資に回すこと」を指しています。これは高配当銘柄でやるのは、間違いではないですが、賢くはないです。
なぜならば、税金が配当にはかかるからです。
もし再投資が前提なのであれば、配当をもらう意味って何でしょうか?
会社が余剰のキャッシュ(本来であれば配当に回せたであろうキャッシュ)をそのまま企業の設備投資か何かに再投資してもらえば、それは企業価値の向上につながりませんか?
つまり再投資が前提なのであれば、そもそも配当金はいらないのです。
配当利回りを指標としているミス
もう一つよく見る大きなミスが買い時のミスです。今のNYダウやS&Pの水準を見てみてください。コロナ危機による下落からかなり戻しています。
はたしてこのタイミングで配当利回りの高い株を買うことは正しいでしょうか?
もちろん上がる企業に投資するのであれば、それは投資の必須条件なので、そこは間違いないです。
しかし、今のこの水準で配当利回りが高いと言うことは、この株高の恩恵を受けていない企業と言うことになります。
さて、このような企業がまた株式市場の混乱に見舞われたらどうなるでしょう。
おそらくまた大暴落です。
つまりマーケット全体が落ちて配当利回りが高くなっているときは買いですが、マーケット全体が上がっているときに、配当利回りが高いと言うことは、その銘柄のそもそもの力がないことになります。
高配当株を買うときに気をつけないといけないこと
さて、「再投資を前提にすること」「配当利回りを投資判断の基準とすること」がいかに理にかなっていないことかと言うことはお分かりいただけたのではないでしょうか。
では高配当銘柄と正しく付き合うにはどうしたらいいでしょうか。
私は最初にも述べたように必ずしも高配当株をポートフォリオに入れることに反対の立場はとっていません。
つまり賢くはやるべきだと思っています。そのコツを考えていきたいと思います。
高配当銘柄は細かく利益確定(損切り)していることと同じ
まず前提として考えないといけないのは、配当をもらうということは、細かく利益確定(あるいは損切りを)していることと同じだと理解することです。
例えば、1つの例をあげてみたいと思います。
あなたはある会社に100万円の投資をしました。企業価値は変わりませんでした。配当利回りは5%です。
1年後、企業価値は変わらずに配当が支払われました。5万円です。
あなたの株式の時価総額は95万円になりました。
こういうことが起きるのです。これをどう思いますか?
つまり企業価値の一部をキャッシュとして引き出していることと同じなのです。今後、リタイアをした場合において、現金が必要になるケースもあるかと思います。そして、その企業の企業価値が少しでも上がっているのであれば、配当はあなたの武器になります。
それ以外では、単純に税負担分あなたのポートフォリオ価値を下げていることになります。
まずはこれを理解することが大事です。
配当利回りが高いには理由がある
どこの会社とは言わないですが、個人に人気の配当利回りの高い会社って、株価は基本的に右肩下がりですよね。
しかも挙げ句の果てに、減配、あるいは無配ということをやってくるのです。
つまり、会社としての力がないのに、無理矢理配当という形で、企業価値を切り売りしているのです。こういう会社に将来性はないです。
先にも述べたように、マーケット全体が下がって優良銘柄も下がっているから、その配当利回りが高いのであれば、それは買いです。
しかし、この株が高いときに、配当利回りが高いというのはそもそもその会社の企業価値がマーケットで評価されていない(企業価値が低い)ことを意味しています。
株式投資は企業の将来性に投資するものです。配当利回りが高いからといって投資するものではないです。
せめてこの2つの指標は見ましょう
配当を目当てにするのであれば、私はその会社の将来性、また配当を支払うだけの力があるかを必ず見ます。
そこで最低限見ないといけないと思うのは「EPS」と「DPS」です。
「EPS」とは「Earning per share」の略で、1株あたりの利益です。
一方「DPS」とは「Dividend per share」の略で、1株あたりの配当額です。
最低限、EPSがDPSより高いと言うことくらいは確認はしたいところです。
これが逆になっていれば、その企業の稼げる力委譲に配当が支払われている無理のある状態なので、その配当が維持される可能性は極めて低いでしょう。
まとめ
最後になりますが、配当金というのはあなたのポートフォリオ(金融資産)の拡大に寄与してくれるものではあります。
しかし、正しく理解した上でそこに投資すべきです。
SNSを見ていると、あまりにも配当に目がくらんだ投資家が多いことに驚愕します。
あくまでも株式投資は、会社に投資をするものであって、配当目当てで行うべきではないです。
株式投資の基本について、もう少し詳しく勉強し、その上で配当金という武器を正しく使いたいというお考えが少しでもおありであれば、以下の記事もぜひともあわせてお読みいただければと思います。