【必見】資産運用の損益計算とリスク管理が重要な理由とは?

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皆さまが資産運用を行う理由は様々だと思いますが、多かれ少なかれ考えていることは、いかに収益を増やすかということだと思います。ポートフォリオの資産価値は、お使いの証券会社ホームページや、マネーフォワードといった家計簿アプリでも見ることができます。

 

しかし、ここで一度ポートフォリオのPnL(P/Lという言い方をしたりもしますが、損益という意味です)をどのように考えているか、ということをデリバティブを扱う仕事する者としての観点から考えてみたいと思います

 

 

トレーダーが気にするPnLとは?

PnLとは、自身のポートフォリオの価値(時価)の変化を表します。一般的には、前日と当日で、いくらポートフォリオの価値が変化したかということが、PnLあるいはP/Lとなります。

 

例えば昨日のあなたのポートフォリオの価値が、100万円だとします。本日マーケットが終わり、ポートフォリオの価値を見たら、105万円となっていたとします。そうすると、トレーダーの今日のPnLは+5万円と考えます。

 

もちろん年初来、月初来といった期間でのポートフォリオの価値の変化というものも見ます。基本的にはそのある基準点の所から、今までにどのくらい資産が増えたのかということが関心事になりますので、そこは誰もが気にします。しかしPnLといった場合、通常は前日との変化になります。

 

以下は「Yahoo!ファイナンス」様のポートフォリオ機能を使って作成した仮想ポートフォリオになります。ここで言う「前日差」という箇所が、いわゆるPnLと呼ばれる部分になります。ここの損益は、実際に投入したコストに対する含み益、含み損になります。本当はここが一番皆さんが気にする部分であるかと思います。

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少し細かくPnLの計算方法を考えてみる

PnLの計算方法を少し細かく見てみましょう。特にデリバティブの世界では、損益を計算する際、どこからこの損益が来ているのかということを細かく見ていきます。英語では、PnL explainedとも呼ばれ、非常に細かく分析がされます。

 

英語のページになりますが、「PnL Explained Professionals Home Page」をご覧いただきますと、ここでも以下のような説明がされています。

PnL is usually defined as value today minus value from prior day

(筆者訳:PnLとは通常、本日の価値から前日の価値を引いたものとされる)

 

オプションやスワップといったデリバティブの世界では、PnLの計算やそのPnLの要因というのは複雑になるのですが、そこでのエッセンスを抽出し、我々の資産運用に置き換えると以下のようになります。

日中でのトレード損益+(本日のポートフォリオの価値ー前日のポートフォリオの価値)

 

ここで日中でのトレード損益は、「ポジションの決済金額ーポジションの構築金額」と定義します。

 

「ポジションの決済金額ーポジションの構築金額」というややこしい表現をしましたが、シンプルに言えば、ロングポジションであれば、「売った金額ー買った金額」、ショートポジションであれば「買った金額ー売った金額」となります。つまり日計りの取引でどれだけ損益があったかといことになります。

 

トレーダーのリスク管理=我々のリバランス

今度は少しだけトレーダーの仕事の一部であるリスク管理という部分を見てみたいと思います。トレーダーはリスクというものを、注意深くモニターをしています。金利のトレーダーであれば、カーブに対する感応度を気にします。

 

(詳細は以下のページをご覧ください)

www.finance-tenshoku.com

 

では我々個人投資家は、どこにそのリスク管理のポイントを置けばいいのでしょうか。それは自身が前もって決めているアロケーション(資産分配)になります。

 

分かりやすく株式と債券の比率を50%ずつにしていたとします。100万円を投資しているのであれば、50万円ずつとなります(相関は逆相関とします)。これがある時、株式資産が80万円、債券資産が20万円になっていたとします。

 

こんな時に株式市場の暴落があった場合、あなたのポートフォリオへの影響(資産価値の変化)は想定以上に大きいものになってしまいます。

 

逆に株式と債券への資産分配が、最初の想定通り半分ずつになっていれば、そこまでインパクトは大きくないはずです(そして、そのインパクトは最初に想定されるリスク量から、自身で考えていらっしゃるはずです)

 

 当ブログでは過去数回にわたってリバランスの必要性を訴えてきました。その理由は、先ほどのPnLの計算式にあった「本日のポートフォリオの価値ー前日のポートフォリオの価値」の所の変動を必要以上に大きくしすぎないためです。

 

ポートフォリオは本来変動を減らすために組む

ポートフォリオを構築する時に考えることとして、本来は変動を少なくするということがあるはずです。金融機関のトレーダーは、PnLのスイング(変動)が大きいと、ほぼ確実に上司やリスク部門から説明を求められます。単純に儲かればいいというわけではないのです。

 

大きく儲けるということは大きく損をするを可能性もあることを意味します。金融機関の歴史を見ると、あるトレーダーが会社に大きな損失を出して経営を圧迫したというニュースを見つけることができると思います。

 

そのくらい損をしないということは、金融機関の運営にとっては非常に重要なことと言えます。したがって、リスクを抑えたポートフォリオの構築、更にはリスク管理ということが重要になってきます。

 

買値・売値には、こだわりすぎない?

ここまでの話で、リスクの管理という話をしてきましたが、運用で儲けるという話はしてきませんでした。なぜならば、そこは考えても無駄な部分でもあり、長期分散投資家としては、そこまで重きを置く部分ではないはずだからです。

 

もう少しこの部分を考えてみたいと思います。皆さん、安く買って高く売りたいということを考えています。そこでは買値・売値が重要になってくるはずです。でもここではそこまで気にしません。

 

その理由は、期待値がプラスのものを運用しているからです。期待値がプラスのものをリスクを抑えて運用すれば、(ほぼ必ず)プラスになるはずと言えます。したがってここではいくらで買った(いくらで売った)という話は、あまり意味がありません。

 

それよりも自身の想定するリスク量内にポートフォリオが収まっていることの方が重要になります。そうすることで、「結果的に」我々の資産が増えることにつながります。それが投機ではなく投資という話にもつながってきます。

 

まとめ

今回はポートフォリオの損益の計算からリスク管理についてまとめさせていただきました。もちろん買値・売値を意識した短期的な売買というのも投資法としては一つあると思います。

 

しかし、ここでは長期的な「運用」を考えていきたいと思います。そのためには買値・売値といったところに重きを置くのではなく、リスク管理といったところを重視していくべきだと思います。運用をする上での一つの考え方として、見ていただければ幸いです。

 

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